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もしもし、3冊セット読書です。

1週間で読んだ3冊を土曜日にご紹介するブログです。

天狼院書店にてエンタメを体験した話

昨日初めて「天狼院書店」にお邪魔したので今日はその時のことを書いてみよう。

 池袋のジュンク堂書店の脇道を5、6分とにかくまっすぐ歩いた場所に、件の本屋さんはひっそりと、あった。

天狼院書店は、本を売っているだけではなく、その先にある「体験」も提供するというコンセプトのお店である。

はて、体験とは?と思いHPを軽く見てみたところ、小説家養成ゼミ、TOEICパーフェクト・ゼミ、漫画ラボ、落語部…カルチャー好きな人に人気がありそうな活動が多いと思いきや、メイク部、ヨガ部なんかもあって、結構幅広いジャンルを網羅している。いわば大人の部活動の場所、といったところだろうか。今回初めて入店した丁度その時も、映画ラボの活動が店内で行われていた。

 

わたしと友人はイベントには参加せず店内を物色。

やがて店内に真っ黒いカバーがかけられた書籍が陳列されているのを発見する。実は今回の訪問の一番の目的はこの書籍、そう、「7代目 天狼院秘本」だ。

天狼院秘本とは先にも示したとおり黒いカバーで覆われ、タイトルや作者、その他諸々の情報を一切消費者に開示しない状態で売る本を指す。購入者には①タイトル秘密です。②返品できません。③他の人には教えないでください。というルールを課している。

かつて「文庫X」という、書店員の手書きメッセージが印刷されたカバーで本来の表紙を隠した文庫本が5万部の大ヒットになったことは記憶に新しい。

これは盛岡市のある書店員が「この本をもっと多くの人に知ってほしい」という思いから始めた企画で、結果的に5万部以上を売り上げたらしい。

(公式でネタバレしているのであえて言うが)タイトルは「殺人犯はそこにいる」で、ノンフィクション、500頁越え。なかなか、おいそれと買おうと思える代物ではないこの文庫本を、多くの人に手に取ってもらうための企画、それが「文庫X」。不思議とネタバレは広がらなかったらしい。それはひとえに、読了した人たちもまた、企画を始めた書店員と同じように「多くの人に読んで欲しい」という感想を抱いたからに違いない。

「天狼院秘本」は、情報を隠して販売しているという点では「文庫X」と同じだが、それをシリーズ化し、他言無用というルールを敷くことで、文庫Xよりも、本を密度の高いコミュニケーションツールに昇華させている節がある。本を買う行為自体がイベントであり非日常でありエンタメという感じがする。

どちらが優位という話ではなく、本が売れない・若者が本を読まなくなった…など、読書に対する不安なトピックスがささやかれるようになって久しいが、売り方ひとつで風向きは変わるのだ。

友人と二人で顔を見合わせて「あった、あった」とフガフガしていると、店員さんが近づいてきて秘本についてアツく語ってくれた。

先程、購入した「7代目 天狼院秘本」の中身を確認したが、わたしが普段ふつうに書店で見たらまず買わないし恐らく手にも取らない類のジャンルだった。こういう出会いはとてもおもしろい。

きっと中身も面白いに違いない。